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2015年、大原渉平がKAIKAでの公演の年間ラインナップの選定に携わります。

アソシエイトディレクター 大原渉平よりご挨拶

KAIKAでなにができるか。そんなことばかり考えます。
僕も一人の演出家として、いくつかの作品をつくってきました。
どうやれば「作品」と、見ている「だれか」との、関係を結ぶことができるんだろうと、いつも考えます。
ですが「作品」の向かう先に存在する「だれか」は、いつも形を変えて、表情を変えて、僕たちではとても捉えきれないような変化をし続けます。
それを、お客さんと呼んでみたり、あるときは社会だとか呼んでみたりするのかもしれません。
僕たちアーティストは、この時代に「なにをするのか」を試され、問われているように思います。

演劇をなまものだと言うように、舞台芸術とは上演開始から終演までの時間を描く、いわば時間の芸術だと考えます。
ではその時間の芸術は、どこへと注がれるのでしょうか。
ひとつは場所なのではないでしょうか。
このアートコミュニティスペースと名付けられたKAIKAという空間は、ある意味では偏った場所だと思います。もちろんブラックボックスでもありません。
だとしたら、そこに注がれる時間は、場所によってどのように変化するのでしょうか。
そして同時に、どうしても変化しなかった部分をもつのでしょうか。
それを僕は、作品の本質と呼びたいです。

もしかすると、偏った空間への挑戦は、作品の本質を探る旅に成り得るのかもしれません。

「劇をはなそう。」
〈アーティストが作品を上演するだけでなく、その作品でなにが描かれていたのか。それを、他のアーティストも混じり、どう捉え、なにを語るのか。そんなことまでをラインナップの一部にする〉

そんなことをコンセプトに、極めてアーティスト目線で、ラインナップつくっていきたいと思います。
現在、京都ではいろんな劇場やスペースが様々な取り組みをしています。たくさんのアーティストが積極的に作品の上演に挑んでいます。
そんな中でKAIKAでできることのひとつが、上記のようにこのKAIKAという空間の中で上演された作品からなにが見えてくるのか。そんなことを、別のアーティストと一緒に考えることだと、僕は思います。

2015年のKAIKAは、〈つくるアーティスト〉と〈語るアーティスト〉が登場人物として同時に存在することになります。京都をはじめ世界に活躍していくアーティストの成長を、観客のみなさんには見守っていただければ幸いです。

2015年4月
大原渉平

2015年のKAIKA ラインナップに関して

春は、プログラムディレクターの大原、スタッフの渡邉が聞き手となって、アーティストがどんなことを課題としているか、作品をどう捉えているのかを話してもらいます。
秋・冬のKAIKAでは、それをさらに発展し、「京都と他地域のアーティスト」をテーマに4ヶ月にも渡るラインナップを行ないます。
京都以外の地域のアーティストの作品がKAIKAにやってきて、そこに、京都で活動してきたアーティストたちが立ち会い、そして、それがどんな作品であったのか、と語ることを試みます。
そして、それらをアーカイブして、WEB上に公開します。後に振り返った際、当時のアーティストがどのような問題意識を持っていたのかを閲覧できるようにします。
〈つくるアーティスト〉と〈語るアーティスト〉が有機的に交信・交差する2015年のKAIKA。ご期待下さい。